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ハローワークに求人を出す方法は?メリット・デメリットや求人掲載に必要な書類も解説

公開日 : 2025.12.08

更新日 : 2025.12.08

人材採用を進めたいけれど、どの媒体で求人を出すべきか迷っていませんか?

費用をかけずに人材を募りたい企業にとって、ハローワークは有力な選択肢です。しかし「応募が来るの?」「手続きが面倒そう…」と不安を感じる方も多いでしょう。

本記事では、ハローワーク求人の出し方や流れ、メリット・デメリット、向いている企業・向かない企業を解説。

自社に最適な採用手段を見つけるヒントをお届けします。

ハローワークに求人を出す方法と流れ

「人材を採用したいけれど、求人サイトは費用が高くて悩んでいる」

そんな企業や個人事業主にとって、ハローワークでの求人掲載は有力な選択肢です。ハローワークは無料で求人を出せるうえ、全国の求職者へ広く情報を届けられる公的なサービスです。

ここでは、ハローワークに求人を出すための具体的な手順や流れ、申し込み時の注意点をわかりやすく解説します。初めてでもスムーズに掲載できるよう、必要な準備を整理していきましょう。

求人掲載は管轄のハローワーク窓口で対応

ハローワークに求人を掲載するには、まず事業所の所在地を管轄するハローワークで手続きを行う必要があります。

どのハローワークが管轄しているかは、厚生労働省の「全国のハローワーク一覧」で確認しましょう。別の地域のハローワークでは受け付けてもらえないため、必ず自社住所の管轄先に出向くことが大切です。

① 管轄のハローワークへ行く

求人票の申込みは、まず最寄りの管轄ハローワークに出向くことから始まります。窓口では、求人内容の相談や書類の説明を受けながら進めることができます。

② 事業所登録を行う

初めてハローワークを利用する場合は、事業所登録が必要です。窓口で「事業所登録票」に事業所名、所在地、代表者名などの基本情報を記入し、提出します。

登録時には次のような情報が求められます:

  • 事業内容・会社の特徴
  • 従業員数
  • 育児休業や介護休業制度の有無
  • 福利厚生や就業環境に関する概要

これらは今後の求人票に自動反映されるため、正確に記入しておくことが重要です。

③ インターネットでの仮登録も可能

窓口で一から記入するのが不安な場合は、ハローワークインターネットサービスを利用するのがおすすめです。

公式サイトの「事業所登録・求人申込み(仮登録)」から事前に情報を入力しておけば、内容確認後に本登録がスムーズに完了します。

仮登録を済ませておくことで、当日の手続き時間を短縮でき、入力ミスも防げます。特に求人内容を複数回掲載する予定の企業にとっては、データが自動的に求人票へ反映されるため、効率的に運用できます。

このように、ハローワークで求人を出すには「管轄の確認」→「事業所登録」→「求人申込み」の順で進めるのが基本です。事前準備を整えておくことで、スムーズに無料掲載をスタートできます。

求人掲載するための流れ

① 求人申込書を作成・提出する

事業所登録が完了したら、次に求人申込書を作成して提出します。

求人申込書には、雇用形態や労働条件、就業場所、勤務時間、給与、休日、加入保険など、採用条件を詳しく記載する必要があります。記入内容に不備があると受理されない場合もあるため、正確さが求められます。

この申込書も、ハローワークインターネットサービスから仮登録が可能です。自宅やオフィスで落ち着いて入力できるため、記入漏れや誤字脱字を防ぎやすく、窓口での待ち時間も短縮できます。初めての方や複数の求人を掲載したい場合は、オンライン仮登録を活用するのがおすすめです。

②求人票と事業所確認票を受け取る

求人申込書の内容がハローワークで確認・受理されると、「求人票」と「事業所確認票(初回のみ)」が発行されます。これらの書類は、登録内容に誤りがないかを確認する大切な書類です。

なお、受け取りの期限は原則として受理日の翌々月まで。それを過ぎると再申請が必要になる場合があるため、期限内に必ず受け取っておきましょう。

③求人情報が公開される

求人申込書が正式に受理されると、求人情報は次の3箇所で公開されます。

  • ハローワーク内の求人情報端末や掲示板、新着求人コーナー
  • ハローワークインターネットサービス
  • 求人検索エンジン「Indeed」

ハローワークに掲載した求人は、自動的にハローワークインターネットサービスに反映され、さらにIndeedにも無料で転載されます。

Indeedは世界中の求職者が利用する求人検索エンジンであり、ハローワークを経由して情報が掲載されることで、より多くの人の目に触れる機会が生まれます。

このように、求人申込書の作成から掲載までの流れは「記入→提出→確認→公開」というシンプルなステップです。インターネットを活用することで、スムーズかつ効率的に求人掲載を進められるでしょう。

求人掲載に必要な書類

ハローワークに求人を出す際は、「事業所登録シート」と「求人申込書」の2種類の書類が必要です。前者には会社名・所在地・代表者名・事業内容・福利厚生など、後者には雇用形態・仕事内容・給与・勤務時間・休日・加入保険などの詳細を記入します。

これらの書類は各地のハローワーク公式サイトからPDFまたはExcel形式でダウンロード可能です。事前に入力・印刷して持参すると手続きがスムーズです。

また、ハローワークインターネットサービスの「求人者マイページ」を開設すれば、オンラインでの仮登録や求人申込み、内容変更などの電子申請も可能です。窓口へ出向く手間を省き、より効率的に求人掲載を進められるでしょう。

ハローワークに求人を出すメリットは?

多くの企業が利用しているハローワークの求人掲載。

民間の求人サイトが増える中でも、ハローワークを選ぶ企業が後を絶たないのはなぜでしょうか。実はその理由には、採用コストを抑えられる点や、運営主体ならではの安心感、さらに企業にとって大きなメリットとなる制度面のサポートが関係しています。

ここでは、ハローワークを活用することで得られる具体的な利点をわかりやすく紹介します。

求人掲載料が無料

ハローワークに求人を掲載する最大のメリットは、掲載料が一切かからない点です。

一般的な求人サイトでは、広告掲載料や成功報酬、仲介手数料が発生するのが一般的ですが、ハローワークは国(厚生労働省)が運営する公的機関のため、費用はすべて無料です。

そのため、求人掲載期間に制限がなく、応募が少ない場合でも費用を気にせず長期的に募集を続けることができます。特に、採用にかけられる予算が限られている中小企業やスタートアップにとっては、コストを抑えつつ安定的に人材確保を目指せる有効な手段といえるでしょう。

また、無料でありながら全国のハローワークネットワークや求人検索サービスを通じて、多くの求職者に情報を届けられる点も大きな利点です。

厚生労働省による運営という信頼感

ハローワークが多くの企業や求職者に利用されている理由の一つが、政府機関としての信頼性です。ハローワークは厚生労働省が運営する公的な雇用サービスであり、国のバックアップがあることで求人情報への信頼度が高く、安心して利用できます。

また、厚生労働省は全国のハローワークにおけるシステム改善や、地域の雇用促進、再就職支援などの取り組みを継続的に行っています。これにより、事業主にとっては公平で透明性のある採用活動の場として、求職者にとっては安全で信頼できる就職支援の窓口として機能しています。

公的機関ならではの運営体制と継続的な改善努力が、ハローワークの「安心して利用できる求人媒体」としての評価を支えています。

助成金・補助金を受給できる

ハローワークを通じて求人を出すもう一つの大きなメリットは、助成金や補助金を活用できる点です。

ハローワークでは、雇用環境の整備や人材確保を支援するために、さまざまな助成制度が用意されています。

たとえば、雇用管理制度を整備し中途採用を促進する企業を支援する「中途採用等支援助成金」、職場環境の改善や働きやすい職場づくりを行う企業を対象とした「人材確保等支援助成金」、高年齢者や障害者など就職が難しい人を雇用した場合に支給される「特定求職者雇用開発助成金」などがあります。

これらの制度を活用することで、採用コストや人材育成にかかる負担を軽減でき、長期的な人材確保にもつながります。
最新の助成金・補助金情報は、厚生労働省またはハローワークの公式サイトで随時確認しましょう。

ハローワークに求人を出すデメリットは?

ハローワークは費用をかけずに人材を募集できる魅力的な仕組みですが、すべての企業にとって万能というわけではありません。実際に利用してみると、「思ったような応募者が集まらない」「採用まで時間がかかる」と感じる企業も少なくありません。

採用活動をより効果的に進めるには、こうした課題を理解したうえで、自社に合った使い方を見極めることが大切です。ここでは、ハローワークを利用する際に注意すべきデメリットと、その背景について解説します。

若年層の応募者が少ない

ハローワークを利用する際のデメリットの一つに、採用ターゲットが合わない可能性があることが挙げられます。特に若年層の採用を重視する企業にとっては、応募者層の偏りが課題となる場合があります。

その理由の一つは、ハローワークを利用する求職者の多くが中高年層であることです。厚生労働省のデータによると、2022年度のハローワーク利用者のうち63.5%が40歳以上となっており、若年層の利用割合は限定的です。

さらに、ハローワーク全体の利用者数自体も減少傾向にあります。2011年には新規求職申込件数が約720万件あったのに対し、2022年には約450万件まで減少しています。

これらのデータから、幅広い年齢層や若手人材を採用したい企業にとっては、ハローワークだけでは十分な母集団形成が難しい場合があるといえるでしょう。ターゲット層に応じて、ほかの求人媒体との併用を検討することが重要です。

採用工数が高くなる可能性がある

ハローワークに求人を掲載する際のデメリットとして、採用にかかる工数が増える点も挙げられます。掲載自体は無料ですが、応募者対応や選考にかかる時間・手間といった「見えないコスト」が発生する場合があります。

ハローワークでは求職者の年齢や経験が幅広いため、企業が設定する採用基準に満たない応募が集まることも少なくありません。その結果、応募書類の確認や面接日程の調整、選考基準に沿ったふるい分け作業が必要になり、採用担当者の負担が大きくなるケースがあります。

特に限られた人員で採用活動を行う中小企業や個人事業主にとっては、この作業が想像以上の時間を要することも。ハローワークの「無料掲載」という表面的なコストメリットだけでなく、こうした採用工数の増加=実質的なコスト増の可能性にも注意が必要です。

ハローワークへの求人掲載に向いている企業・向いていない企業

ハローワークは無料で求人を掲載でき、多くの企業に利用されている便利な仕組みですが、すべての企業に向いているわけではありません。業種や採用したい人材の層によっては、期待した結果が得られないこともあります。

ここでは、ハローワークでの求人掲載が特に効果的な企業の特徴と、反対に他の採用手段を検討したほうがよいケースについて解説します。自社の採用スタイルに合うかどうかを見極める参考にしてください。

向いている企業

① 常に人材募集をしていたい企業

まず挙げられるのが、常に人材募集を行いたい企業です。
ハローワークの求人掲載は無料で、掲載期間(原則として受理日の翌々月末まで)が過ぎても、再申請すれば追加費用なしで再掲載が可能です。

そのため、介護・医療・飲食業など、慢性的に人手不足が続きやすい業種では特に効果的です。費用をかけずに継続的な採用活動を行えるため、採用コストの削減と人材確保の両立が実現できます。

② 地元採用を強化したい企業

次に、地元採用を重視する企業にもハローワークは適しています。
ハローワークは地域密着型の公的サービスであり、求人の登録も企業所在地を管轄するハローワークで行います。
そのため、求人票は自然とその地域で働きたい求職者の目に触れやすく、地元での就職希望者にアプローチしやすい仕組みになっています。

地場産業を支える企業や、地域に根ざした店舗・事業所などにとっては、ハローワークは地元人材と出会う有効な手段といえるでしょう。

③ 多様な人材を採用したい企業

三つ目は、幅広い層の人材を受け入れたい企業です。
ハローワークは新卒から中高年、シニア層まで多様な年齢層の求職者が利用しており、未経験者から経験豊富な人まで幅広い人材と出会うことができます。

  • 未経験から採用・育成したい企業
  • 年齢や職歴を問わず採用したい企業
  • 子育てや介護など事情を抱えた求職者を受け入れたい企業

このような企業にとって、ハローワークは公平でオープンな採用の場です。

ただし、高度な専門スキルや資格を持つ人材は、民間の求人サイトや転職エージェントを利用する傾向があります。そのため、専門職よりも一般職・現場職・未経験歓迎の求人のほうが成果が出やすい傾向があります。

このように、ハローワークは「無料で継続的に求人を出したい」「地域に根ざした採用をしたい」「幅広い層から人材を募りたい」と考える企業にとって、非常に相性の良い採用媒体といえるでしょう。

向いていない企業

① 専門性が高い人材を求める企業

ITエンジニア、コンサルタント、デザイナー、研究職など、高度なスキルや専門知識を持つ人材は、自分の経験や能力を活かせる職場を重視しています。こうした層は、ハローワークよりも以下のような専門性の高いサービスを利用する傾向があります。

  • 職種特化型の転職サイト(IT・医療・士業など)
  • 人材紹介会社・エージェントサービス
  • LinkedInやビズリーチなどのハイクラス求人サイト

そのため、高度な専門人材を採用したい企業は、よりマッチング精度の高い媒体を選ぶほうが効果的です。

② 20代の若年層を採用したい企業

厚生労働省の統計によると、2022年度のハローワーク利用者のうち29歳以下は約19%にとどまります。つまり、利用者の多くは30代後半から中高年層で構成されています。

そのため、新卒・第二新卒・20代を中心に採用したい企業にとっては、応募数が限られるのが実情です。若年層の採用には、次のような手段がより効果的です。

  • リクナビ、マイナビなどの若年層向け就職サイト
  • SNS広告やダイレクトリクルーティング
  • 学生・若手専門の人材紹介会社

ターゲット層の母数が少ない以上、ハローワークだけで若手人材を確保するのは難しいといえます。

③ 採用スピードと効率を重視する企業

ハローワークを通じた採用は、応募から採用決定までに時間がかかる傾向があります。応募者対応や選考作業に手間がかかるため、短期間で即戦力を採用したい企業には不向きです。

たとえば、事業拡大中のスタートアップや、プロジェクト単位で人員を早急に補充したい企業では、スピーディーにマッチングできる求人サイトや人材紹介会社を利用するほうが現実的です。

このように、専門職・若手・スピード採用を重視する企業では、ハローワーク単体では成果が出にくい傾向があります。採用目的を明確にし、民間サービスとの併用を検討することが、より効率的な人材確保につながるでしょう。

ハローワークの求人掲載に向かない企業におすすめの採用方法

ハローワークは公的で安心感のある採用手段ですが、すべての企業に最適とは限りません。

採用スピードや人材の専門性を重視する場合、より柔軟で効果的な方法を取り入れる必要があります。

ここでは、ハローワーク以外で企業の採用力を高めるための手段を紹介します。コストを抑えつつも、ターゲットに合った人材と出会うための工夫や活用方法を見ていきましょう。

求人媒体の活用

求人媒体には「Web媒体」と「紙媒体」の2種類があります。Web媒体はマイナビ転職やdodaなどのインターネット求人サイトを指し、職場の雰囲気や社員の声など多彩な情報を掲載できるのが特徴です。

4週間20万円前後が相場で、若年層や複数名採用に向いています。
一方、紙媒体は新聞やフリーペーパーなどで、配布エリアや読者層を基に地域密着型の採用が可能です。掲載費は数万~数百万と幅があります。

どちらもターゲットを明確に設定できる点が強みで、採用ニーズに応じて媒体を選ぶことで効果的な人材募集ができます。

SNSの活用

SNSを活用した採用手法は「ソーシャルリクルーティング」と呼ばれ、FacebookやX(旧Twitter)などで企業と求職者が直接つながる仕組みです。投稿や交流を通じて企業の雰囲気や価値観を伝えられるため、採用ターゲットへのブランディングにも効果的です。

また、内定者とのコミュニケーションを継続することで入社前の不安を解消し、内定辞退やミスマッチを防ぐことも可能です。
SNSは無料で始められ、拡散力の高さが魅力ですが、継続的な情報発信が必要で即採用にはつながりにくい点には注意が必要です。

人材紹介・人材派遣サービスの活用

人材紹介・派遣サービスは、採用の手間を減らしながら適切な人材を確保できる方法です。

人材紹介会社(転職エージェント)は、企業の求める人物像やスキルを伝えると、登録者の中から条件に合う人材を紹介してくれます。候補者との連絡も代行してくれるため、選考工数を削減できます。採用が成立した際には紹介手数料が発生します。

一方、人材派遣は派遣会社と契約し、必要な期間だけスタッフを派遣してもらう仕組みです。給与や社会保険の手続きは派遣会社が行うため負担が軽減されますが、職種やスキルにより時給が変動します。

まとめ

ここまで見てきたように、ハローワークは無料で利用できる一方、求める人材や採用スピードによっては民間サービスとの併用が効果的です。

採用を含めた業務全体を見直し、自社がどの部分にリソースを割くべきかを整理することが重要です。

もし「日常業務が多忙で採用に時間を割けない」「事務作業が圧迫している」と感じる場合は、契約時間内で柔軟にサポートしてくれるオンライン対応アシスタントサービスの導入を検討しましょう。

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